2016年12月13日火曜日

占星術洋書のメルマガ

西洋占星術洋書読み会の主宰でもある小池一樹氏が洋書翻訳のメルマガ【→お申込みはこちら】をはじめるというので、以下に推薦文。


ヴィヴィアン・E・ロブソン『Astrology and Sex』について

 小池一樹氏が翻訳にチャレンジする『Astrology and Sex』は、英国の占星術家ヴィヴィアン・E・ロブソン(1890-1942)が出版したテキストである。初版は今から75年以上も前の1941年になるが、そのハイレベルな研究内容はまったく輝きを失っておらず、21世紀に入った現在でも高い評価を受け続けている。そのタイトルが示す通り、同書は男女のセクシュアリティとパートナーシップの占星術的な分析を主題としており、特にシナストリー(相性判断法)の的確さとディティールは他の追随を許さない。今日の相性占星術で最も重視されているインター・アスペクトの観察、つまり「A男の太陽とB子の月がトラインの場合…」のような読み方は『Astrology and Sex』が広く普及させたものであり、後に出版された類書のほとんどがその影響を受けていると言ってもよいだろう。また、将来の伴侶となる者の人物像や結婚のタイミングの予測法、あるいは愛と性に関するプトレマイオスらの古典的アフォリズム(格言)のコレクションも盛り込まれ、インフォーマティブかつ実用的な一冊となっている。


Vivian E. Robson
1890-1942
 
 地質学やラテン語等に通じた教養豊かな学芸員であるロブソンは、18世紀以降の啓蒙時代に散逸してしまった占星術文献を読み漁り、その知識を貪欲に吸収。一時期は近代占星術の父アラン・レオの後継者として雑誌『Modern Astrology』の編集長も務めるなど、19世紀末から20世紀初頭の西洋占星術の復興に大きく貢献した人物である。そのスタイルは、新しい時代の要請に応じた占星術の近代化の必要性を理解しつつも、中世やルネサンス時代のヨーロッパで興隆した伝統的な占星術の思想と技術にも大きなリスペクトを払っているという点で、斯学の性急な心理学化、あるいは簡略化が進められつつあった同時代では異彩を放っているといえよう。『Astrology and Sex』はその代表作であり、「20世紀の古典」と呼ぶに相応しい名著なのである。

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